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黒の試走車(1962)~産業スパイ~

昭和37(1962)年に公開された、大映制作による作品。
出演は田宮二郎・高松英郎・叶順子・船越英二他、監督は増村保造。

タイガー自動車はライバル会社のヤマト自動車と新車開発競争を繰り広げている。タイガーでは企画部長の小野田(高松)を中心に、朝比奈(田宮)達がヤマトへのスパイ活動を進める。ヤマトのデザイン課長のコピー機導入リベートをネタに、彼にデザイン画を100万で売るように脅したり、朝比奈が自分の恋人昌子(叶)を、ヤマトの企画本部長馬渡(菅井一郎)が常連のバーに女給として潜り込ませたり...しかも、昌子を馬渡に抱かせてヤマトの新車価格情報を盗んだり...した結果、新車売上でタイガーが勝利する。が、この後も色々と問題が起こり、遂にタイガー社内にスパイがいることが判明して...自殺。朝比奈はほとほと嫌になって退職することになり、昌子とも復縁...という内容。

昭和37~39(1962~64)年にかけて計11本制作された「黒シリーズ」の第1作目。
高度成長期ならではの「売って、売って、売りまくれ!」的雰囲気や「企業間競争」モノには、高松英郎は欠かせません。以前取り上げた「巨人と玩具(1958年)」でも、高松英郎は肉体的・精神的に壊れていきながらも、ライバル会社との宣伝合戦に奔走します。双方とも監督は増村保造で、ラストへ向けてどんどんヒートアップして人間が壊れていく様...は鬼気迫るものがあります。

高度成長期ならではの作品だけに、興味深いシーンも多くて...その点でも面白い。
それにしても、「産業スパイ」というのも今は殆ど耳にしない言葉。
勿論、現在でも企業間では競争に凌ぎを削っていますし、様々な情報戦が繰り広げられているのでしょうが...さすがに陰で「あいつは産業スパイなんだぜ」なんてことを口に出す人はいないでしょう。
とすると、「産業スパイ」なる言葉はいつ頃まで普通に使われてたんでしょうか?気になるところです。


タイガー自動車が新車「パイオニア」の価格を検討する場面。勿論、ヤマト自動車が発売する新車の価格より安くしなくてはなりません。そんな中、企画部員の一人が言う台詞にこんなのがあります。

「IBMにかけたところ、115万円と出ました。」

確か、よく憶えてませんが...重役達から回収したアンケートか何かを集計した結果の報告するシーンだったと思います。まだまだ「コンピュータ」という言葉も一般的でなかった時代なんでしょう...それにしても、「IBMにかける」という言葉も凄いですね。なんだか、IBMの社員が手作業でコツコツと計算している様子を思い浮かべてしまいます。


ライバル会社のヤマト自動車。そのデザイン課長が、コピー機導入の見返りにリベートを得ている...という情報を掴みます。小野田と朝比奈はそれをネタにデザイン課長を脅します。場所は彼がリベートで得た金で建てたと思われる、郊外の一軒家。
画面に映し出されるのは、ホント開発途上の住宅地。道路も未舗装で、車が通ると砂埃が凄い。
これは何処なんでしょうか?
彼らを乗せた車の窓からは「京王2000系」が並走しているのが見える...ということは、京王線沿いという設定なんでしょうか。地形の起伏も大きいことを考えると、多摩地区近辺でしょうか。当時は既に多摩ニュータウンの開発もスタートしていたことでしょうから、その近隣なんでしょうか...気になります。
画面を観る限り、ホント何も無いところを造成しました...という感じなんですが、意外ともっと都心寄りだったりして...


そーいえば...タイガーの新車がいきなり踏切事故に遭うのですが、それを報じる新聞にこんな文字が出てきます。

「茅ヶ崎の無人踏切で」

今の目からすれば、踏切は無人(自動)が普通ですが、当時は有人踏切がまだまだ幅を利かせていた...ということなんでしょうね。こんなトコにも時代を感じてしまいます。

theme : 映画を見て、思ったこと
genre : 映画

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昭和30~40年代って面白い...ので、当時の映画・テレビ番組から気付いたことを気の向くまま書いています

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