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警視庁物語 7人の追跡者(1958年)

昭和33(1958)年に公開された、東映制作による作品。
出演は松本克平・花澤徳衛・堀雄二・小沢栄太郎他、監督は村山新治。

ある日...女性の絞殺死体がマンホール内で発見され、早速捜査陣が捜査に向かう。身元はマネキン製造会社の事務員と判明。しかも、従業員の給料を銀行に受け取りに行ったまま行方不明になっていたことも判明する。その後の調べから、その会社の社長黒木(小沢)と被害者が関係にあったことが分かる...ものの、愛人であるバー女給の証言からシロと判明。しかし、その女給がしていた指輪が被害者のものであること、それをパトロンの松原(高木二朗)から貰ったことが分かる。女給が黒木から会社の内情を聞いていて、それを松原に話していて、しかも...松原が被害者と同じアパートに住んでいたことも判明し...逮捕に至る、という内容。

24本制作された「警視庁物語」シリーズの1本で、7作目となる作品。
警視庁物語 夜の野獣(1957年)」でも書きましたが、これといって大スターが出演するわけでもない地味な作品...だからこそ、個人的にも興味深い光景を目にすることができて...面白い。
この作品...観ていると、主に世田谷区辺りでロケされていることが分かります。
世田谷近辺は昭和30年代以降、急速に宅地化された経緯があるため、ちょうどその端境期といいますか、これから開発されていく直前の姿を垣間見ることができて興味深い。

冒頭、女性の絞殺死体が発見される場所。道路も舗装されていなく、どこかの山道かな...という風情。しかし、切り崩された崖地に掲げられた看板には...「東急不動産所有地」の文字を確認することができます。
しかも、通報を受けた警視庁捜査陣からは「玉川署管内」という言葉が出てくることから、これは現在の「二子玉川」辺りだろうと思われます。
しかし...映し出された風景からは、「ここ」が現在の二子玉川とは到底思えません。

二子玉川から先の東急田園都市線の沿線が、東急主導で開発された「多摩田園都市」であることは有名です。通常、大規模ニュータウン開発は住宅公団などの官主導で進められるものですが、多摩田園都市は東急という一民間企業によって開発が進められました。しかも、一民間企業が開発したニュータウンとしては世界最大規模のものでもあります。

多摩田園都市の計画が公表されたのが昭和28(1953)年ですから、ここで観ることができるのは、ちょうど開発に着手した頃の姿...ということになります。今でこそ、人気の高い住宅地と化した地域ですが、当時は「何もない」と言っても過言ではない山林だったことが分かって...興味深い。


また...捜査段階において、目撃者の一人として「ガソリンスタンド」の店員が登場します。
そのガソリンスタンドがある場所というのが...上馬。
今でこそ国道246号線と環状7号線が交差し、国道246号線の上には首都高速が走っている...そんな交通量の激しい場所ではありますが、ここで観ることができる風景は、あまりにも牧歌的。

ガソリンスタンド内から見える国道246号線は、現在の半分くらいの道幅でしょうか...そこを玉電(東急玉川線)200形が走っている姿を確認できます。その丸っこい形状で人気のあった車両です。

物心ついた頃には都内から路面電車がほぼ全滅していた私からすると、路面電車といえば「増大する自動車に阻まれ」て、「低速で走っている」姿を想像しがちですが、ここでは結構なスピードで走り抜けていく姿が意外な印象をもたらします。

それにしても...全国の映画館で上映される作品の中で「上馬」って言われてもピンとこない人が多かったんじゃないでしょうか?
新宿なり上野といった地名であれば別ですが、上馬って...ドコ?という感じだったんじゃないかと、そんなところが気になって仕方ありません。今ならば、間違いなく「駒沢」としてるところでしょうね。


一連の「警視庁物語」シリーズは、(定かではありませんが)メインではなく併映作(添え物)だったと思われます。だからなのか、(予算上)世田谷辺りでロケ済ませてしまおう...なんて感じだったんじゃないでしょうか?それだからいいんですよね。何気ない当時の風景を確認できるので...


theme : 映画を見て、思ったこと
genre : 映画

comment

Secret

警視庁物語の封切りリスト調べました。
やはり当時の東映時代劇の大スター橋蔵、錦之助、千恵蔵などの総天然色作品とのモノクロ添え物作品でしたね。
しかし脚本が後のテレビドラマ「七人の刑事」などで犯罪サスペンスドラマのシナリオライターでの第一人者となっていく長谷川公之氏だったんですね。
音楽も59年作品から、あの若き日の富田勲氏が担当とスタッフは凄いですね。
私は以前BSで、NHKで放送していた「事件記者」の劇場版をみましたが、今はなき当時の映画館の下北沢のオデオン座が映った時は感動しました。

Re:

ジェロームさん

こんばんわ。いつも、貴重な情報をありがとうございます。
やはり...併映作でしたか。
それにしても、音楽が富田勲氏とは驚きです。

「事件記者」も観てみたいものです。
横浜にある放送ライブラリーで「事件記者」だったか、「ダイヤル110番」だったか...を観たことがあるのですが(勿論テレビ版)、渋谷道玄坂に加えて、中野の哲学堂付近が映し出されていて、興味深かったですねぇ。

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昭和30~40年代って面白い...ので、当時の映画・テレビ番組から気付いたことを気の向くまま書いています

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