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黒い樹海(1960年)~都会といえば~

昭和35(1960)年に公開された、大映制作による作品。
出演は叶順子・藤巻潤・根上淳・水木麗子・浜村純他、監督は原田治夫。

信子(水木)と祥子(叶)姉妹は都内で二人暮し。ある日、姉の信子が東北に一人旅に出掛ける...も、何故か浜松で起こったバス事故で死亡。不審に思った祥子は、信子の会社に就職して真犯人を探そうとする。そんな中、同僚の知枝(穂高のり子)が殺される。その現場で、知枝の弟の吉井(藤巻)と知り合い、2人は事故と事件が関係していることを感じて、協力して真犯人を探すことに。信子の人間関係から、妹尾(根上)・西脇(北原義郎)・桟敷(伊東光一)・鶴巻(浜村)をマークする。そんな中、祥子がようやく見つけた「事故目撃者」や、祥子のアパート管理人が次々と殺されていく...が、最後は4人の中に真犯人がいることを突き止め...丸く収まる、という内容。

松本清張原作を映画化した作品。叶順子と藤巻潤が主演...というのが、今から見ると(どことなく)マニアックな匂いを感じてしまいます。当時からすると、2人とも「期待のホープ」と期待されている...みたいな位置付けで、妥当なキャスティングだったんでしょうか。気になるところです。
さて、この作品も当時(昭和30年代)の光景が垣間見れるシーンが多くて、興味深いことこの上ない。
有楽町にあった日劇から、有楽町近辺の全景を捉えたシーンからスタートします。それ以外にも、数寄屋橋や、そこから銀座方向の眺めを捉えるシーンがよく登場します。

この時代、都会といえば「有楽町・銀座」を指すのが普通だったということですね...他の作品を観ても、大抵の作品で登場しますから。これが昭和40年代になると、一気に「新宿」が登場してくる作品が増えるんですよね。つまり、昭和30年代の「都会」は有楽町・銀座であり、昭和40年代のそれは新宿だ...と。今は、渋谷・池袋・六本木・お台場...と人によって「都会」を感じる街は異なるのでしょうが、当時は「都会と言えばココ!」という共通認識があったということですね。


祥子(叶)が事故の目撃者を見つけ出すシーン。その目撃者は山梨に住んでいるということで、そこまで会いに行きます。祥子が「是非、東京まで来て証言してほしい」と頼むと、その目撃者(若い女性)は「えっ!東京に行けるの!」と飛び上がらんばかりに喜ぶ。
これ、今の目から見ると「山梨なんてJRの特急で2時間くらいじゃん」という感じで、「そんな喜ぶこと?」と違和感を感じてしまいます。これは、以前に取り上げた「学園広場」や「鰯雲」でも指摘しましたが、当時と現在の「心理的距離感」の相違ということですね。山梨辺りでも、東京はまだまだ遠い場所だったんですね。

そして、祥子と吉井(藤巻)が「上京する目撃者」を迎えに行くのが新宿駅。ただ、指定した列車が到着しても姿が見えないことから探し回ります。その際、丁寧にも南口・西口・東口...とカメラが捉えてくれます。東口は現在のビルが建つ前の駅舎を確認することができます...なんか、少々大きな地方都市の駅にしか見えなくて...興味深い。その他、立川駅や南武線の矢野口駅も映し出され、その田舎然とした光景が新鮮です。


また、「最近のオフィスガールにも...」なんて台詞があります。当時はまだ「ビジネスガール」というのが一般的だったと思うのですが、今のOLに近い「オフィスガール」という言葉もあったんですね。ま、いずれにしても、「レディ」ではなくて「ガール」と呼ぶところが、当時の「(男性から見た)働く女性観」を象徴しているようで興味深い。

他にも「夫婦でよろめきか」なんて台詞も確認できます。よろめき...なんて、いつごろまで普通に使ってたんでしょうか?今だと「不倫」ということなんでしょうか?でも、「よろめき」の方がどことなく味があるような気がする...のは私だけでしょうか?

気になるところです。

theme : 映画を見て、思ったこと
genre : 映画

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昭和30~40年代って面白い...ので、当時の映画・テレビ番組から気付いたことを気の向くまま書いています

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