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野獣を消せ(1969年)~雑木林~

昭和44(1969)年に公開された、日活制作による作品。
出演は渡哲也・藤竜也・尾藤イサオ・藤本三重子他、監督は長谷部安春。

プロハンターの浅井(渡)がアラスカに行っている時、妹の里子(吉岡まり)が強姦されて殺される。帰国した浅井は、バイクで飛ばすことで悲しみを紛らわす...そんな時、不良達(藤・尾藤ら)に絡まれている恭子(藤本)に遭遇して助ける。その夜...不良達がいつも通りヤミ酒を売りつけていたバーで、浅井・恭子と遭遇して喧嘩となり、恭子が不良達に再び襲われて監禁されてしまう。しかも、乗り込んだ浅井も捕まってしまう。恭子が代議士の娘だと知った不良達は、父親に身代金を要求。まんまと身代金を手に入れた...が、それが新聞紙だったことから逆上。そんな時、不良達の一人が身に付けていたペンダントが里子のものであることに気付いた浅井...恭子とともに脱出に成功した浅井は、単身で不良達と対峙し、激しい銃撃戦の末に妹の復讐に成功する...という内容。

渡哲也主演によるハードアクションもの...といった作品。
ラストの銃撃戦の「ドドド!バババ!ドッカーン!」なんてシーンは、爆発・破壊・銃撃のオンパレードだった「西部警察」のルーツを見るようで...面白い。一方で、映りこんでくる風景を見ていても興味深いものがあり...興味が尽きない。
この当時...すでに「若者の街」として定着していた新宿でロケされる作品が多くあり、当時の新宿の風景や時代風俗を垣間見ることができて大変面白い。しかし、この作品には新宿のような「街」は登場しません。その代わり、失われつつあった「武蔵野」を感じさせる風景を確認することができ、別な意味で興味深く観ることができます。

武蔵野と言えば雑木林、雑木林と言えば武蔵野...

冒頭から米軍基地が登場したり、最後はMP(ミリタリーポリス)が登場したりする本作品。舞台となるのは立川近辺。最初はあまり気にもとめませんでしたが、様々なシーンで雑木林が登場してきます。

恭子(藤本)が不良達に絡まれるのは...雑木林
不良達が身代金を奪う中央高速道の脇には...雑木林
身代金を奪って意気揚揚とバイクを乗り回す沿道に...雑木林

話が進むにつれて、まだまだ当時は立川辺りには雑木林が多かったことが分かります。勿論、すでに宅地開発が進行していた当時のことですから、古き良き「武蔵野」の雰囲気を知っている人達からすれば、その面影もなくなった...と感じていたであろうことは想像に難くありません。

しかし、本作品が公開された翌年以降の1970年代、より一層「宅地開発」は進行します。私が物心ついた1970年代後半には、すでに雑木林と呼ばれるところ自体が少なくなっていました。そんな私からすれば、本作品で見られる雑木林の姿は「まだまだ、こんなに多かったんだ」と感じさせるものです。作品の内容とは全然関係ありませんが、国木田独歩の頃の「武蔵野」ってこんな感じだったのかな...と(というのは言い過ぎか...)。

監督だった長谷部安春も、まさか「なくなりつつある武蔵野の雑木林を...」とか考えて撮影したわけでもあるまいし、普通に何気なく雑木林が映り込んだ...というだけのことなんでしょうが、それを今日の目から見ると大変興味深いものとして確認できることが面白い。

theme : 映画を見て、思ったこと
genre : 映画

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Author:padavona
昭和30~40年代って面白い...ので、当時の映画・テレビ番組から気付いたことを気の向くまま書いています

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