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青い芽の素顔(1961年)~オリンピックの負~

昭和36(1961)年に公開された、日活制作による作品。
出演は吉永小百合・川地民夫・奈良岡朋子・松尾嘉代他、監督は堀池清。

下町の玩具工場で働くみどり(吉永)。母親(奈良岡)が営む飲み屋が嫌で、働いた金で大学に進学するという夢を持っている。ある日、映画館で金持ち大学生の誠(川地)と知り合う。誠は金を失くした振りをして女の子と知り合うつもりだった...が、清楚なみどりに惹かれ、親の勧める見合い話を断る。一方みどりは、初デートで誠の女友達(大学生)の手前、自分も大学生だと嘘を言う。次第に惹かれあう2人...だったが、「住む世界が違う」という負い目から、みどりが誠と距離を置くようになる。そんな時、誠の友達がみどりの女工姿を見かけてしまい...ということがありつつも、最後は丸く収まる...という内容。

吉永小百合の青春モノ・純愛モノというと、相手は浜田光夫で...という印象が強いだけに、川地民夫とのコンビというのは意外な感じ。それに(当然ながら)みんな若い!特に、川地民夫・松尾嘉代なんかは、まだ少年・少女っぽさが残っているくらい若くて...これまた新鮮。
内容は予定調和的...ですが(だからなのか)、興味深い当時の光景を観ることができます。
みどり(吉永)が働いているのは下町の玩具工場。
なぜ下町だと分かるのか...それは、以前にも「煙突の見える場所(1953年)」で取り上げた「千住のお化け煙突」が頻繁に映し出されることから容易に分かります。4本の煙突からは「モクモク」と勢いよく煙が吐き出されています。エコな現代では考えられない光景です...が、イケイケの高度成長期を象徴しているようで興味深い。


みどりの母親(奈良岡)が営む飲み屋に、立ち退き問題が起こります。
なぜ立ち退かなくてはいけないのか...それは母親の愚痴から判明します。

「なんだって、オリンピックなんて来るんだろ?」
「誰がオリンピックなんて呼んだんだろ?」

この3年後に迫った「東京オリンピック」が立ち退きを迫られてた理由だったんですねぇ。下町だから競技会場建設...とかではないでしょう。首都高速建設のためでしょうか。
いずれにしても、オリンピックに日本全国が大歓迎・大興奮した...だけじゃなかったことが分かります。当時を知らない世代からすると、東京オリンピックについては「すごかった!」といった「プラス面」のみを(いかに)聞かされ・見せられてきたかが分かろうというものです。でも...その裏では、オリンピックのために立ち退きを余儀なくされた人達がいたわけです。
言われてみれば当然なことですが、なかなか「オリンピックのマイナス面」が語られないだけに意外な感じを受けた...そんなシーン。興味深い。


また、映画の料金が250円...電車賃13円...と、当時のモノの値段が度々登場するのも興味深い。
映画は...現在は確か1,800円でしょうか。とすると、当時の7.2倍ということになりますね。別のシーンでは「13円の電車賃使って...」なんて台詞が出てきます。今の目から見ると、公共交通機関の料金で「端数」があるということに違和感を感じます。

最後に...
誠(川地)が知りあったばかりのみどりを車に乗せるシーンがあります。
駐車している車の背後には...「有楽町そごう」が大きく映し出されます。壁面の「そごう」という文字が目立つこと目立つこと。今では「ビックカメラ」となっていますが、建物自体に大きな変化がないだけに...なんか興味深いですね。

theme : 映画を見て、思ったこと
genre : 映画

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昭和30~40年代って面白い...ので、当時の映画・テレビ番組から気付いたことを気の向くまま書いています

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