FC2ブログ

喜劇 駅前団地(1961年)その2

「喜劇 駅前団地」を取り上げながらも、前回は団地について触れなかったので、今回は団地について書きたいと思います。

団地こそ、昭和30~40年代の高度成長期を象徴するモノの一つでしょう。
私自身も5~15歳までの10年間に渡って団地に住んでいたので、「思い出深い」というか「感慨深い」ものがあります。
が、私が団地に住んでいたのは昭和52~62年にかけてであり、昭和30~40年代ではありません。そんな私の目から見ると、この作品で描かれている「団地に対するイメージ」にギャップを感じるわけで、そこが大変面白かったりします。
終戦後の復興期から高度成長期へ移行しつつあった、昭和20年代後半から昭和30年代初頭。東京への人口流入の増加に伴い、大きな問題となっていた住宅不足を解消するため、昭和30年に設立されたのが「日本住宅公団」でした。そして日本住宅公団は、昭和30~40年代に大規模団地を造成していきました。

この作品の舞台となっている「百合ヶ丘第一団地」は、日本住宅公団が造成した大規模団地の草分け的存在なのです。入居は昭和35年に開始されており、同時期に開設された団地として「ひばりが丘団地(東京)」や「常盤平団地(千葉)」があります。

当時の新聞・週刊誌・テレビ映像等を見ると、「団地族」という言葉にもあるように、団地に住むことがいかに「格好良く」「進んでいて」「憧れの存在」であったかが分かり、昭和50年代以降に団地に住んでいた私が持つイメージとは大きなギャップがあるのに驚きます。もうその頃は、「一戸建て」の方が「団地住まい」よりも遥かに良いイメージでしたからね。

また、今でこそ「団地」は入居条件として低所得者層を優先するイメージがありますが、当時の資料を見ると「家賃の5.5倍の収入が必要(常盤平団地の例)」だったりと、逆に高所得者でなければ入居できないというのも、当時を体験していない私からすると意外な驚きだったりしました。

さて...作品中に「都内から団地に引っ越してくる家族」が描かれているシーンがあり、地元の牛乳屋や新聞配達店の若手が、こぞって引越の手伝いをするんですね。それは、契約を獲得するためのサービスだったりするんですが、当時を知らない者には一見して理解できるんでしょうか?
私は、同じような光景を当時のニュース映画で見て初めて「なるほどなぁ」と思った次第です。

高度成長期を象徴するモノの一つである「団地」。
当時、この作品を観た人達は「いいなぁ」「あんなとこ住みたいなぁ」とか思ったんでしょうね。
そんなことを考えると楽しいんですよね。

theme : 映画を見て、思ったこと
genre : 映画

comment

Secret

アクセス数
ブログ内検索
プロフィール

padavona

Author:padavona
昭和30~40年代って面白い...ので、当時の映画・テレビ番組から気付いたことを気の向くまま書いています

ブログランキング

FC2Blog Ranking

QRコード
QRコード
カレンダー
07 | 2019/08 | 09
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ
カテゴリー
RSSフィード
リンク  ご自由にどうぞ!