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君は恋人(1967年)~テレビin映画~

昭和42(1967)年に公開された、日活制作による作品。
出演は浜田光夫・吉永小百合・和泉雅子・山内賢他、監督は斎藤武市。

工員だった光夫(浜田)は貧乏暮らしが嫌でヤクザの仲間に入り、将来幹部になった暁には初恋の相手百合(吉永)と一緒になる夢を持つ。そんな中、組の幹部から深江組組長を殺すように命じられる。幹部登用のチャンスとばかりに意気込むも、土壇場で怖気づき、深江は幹部が殺すことに...なるも、光夫は幹部となる。そんな時、光夫は組に抗う流しの井上(克美しげる)を命令により刺す...が、それで用済みとなった光夫が逆に組から命を狙われる。これに頭ににきた光夫は心を入れ換えて更正...井上の取り成しと、陰ながら光夫を思う雅子(和泉)の努力により、その歌の上手さがレコード会社に認められて...という内容。

怪我によるブランクの後、浜田光夫1年4ヶ月振りの復帰作...とのことで、石原裕次郎・渡哲也等の日活オールスター総出演によって浜田の復帰を祝ったような作品。
冒頭は浜田本人が日活撮影所に入ってくるところからスタート、それを川地民夫や松原智恵子が「よかったなー」なんて言いながら復帰を祝う...そして、スタジオへ向かってリハーサル。そこでメガホンを握っているのが石原裕次郎...勿論本人として。「おめでとう」なんて言われて...ここでようやくタイトル・主題歌が流れます...が、総出演ということで、とにかく長々と出演者名が流れます...終わんないじゃないかって、くらいに。
冒頭だけでなく、中盤・終盤と浜田本人が出演するシーンが挟み込まれて「楽屋落ち」的なところもあって...結構面白い。

中盤...スパイダースが宣材写真か何かの撮影をしているスタジオ。隣で同じく広告写真(エンピツだったかな)の撮影をする浜田と偶然に...なんてシーン。そこで「これからの展開は?」なんて堺正章が聞き、それに答える浜田。すると、「それじゃ暗い」からと筋を変えよう!となる。
終盤...当時日本テレビで放映されていた「九ちゃん」の公開収録のシーン。坂本九の「今回のゲストはこの方」という言葉で登場するのが、またまた浜田本人。それまでの筋を踏まえて、ラストシーンへの布石となる会話を交わす2人...そして歌う2人。

...というように、劇中に浜田本人が登場するシーンが入り込んでくる。特に後者では「復帰」についての会話がなされていて、観客に「浜田光夫復帰」を殊更印象づけるような意味合いがあったんでしょうね。

出演陣では...日活オールスターキャスト以外にも、上記のようにスパイダースが登場するほか、流しの役として克美しげる・荒木一郎が出演していたり、クラブで黛ジュンが歌っていたり...と、とにかく「浜田光夫の復帰作をヒットさせなくては!」という日活側の並々ならぬ意気込みを感じさせます。
個人的には荒木一郎の「いとしのマックス」を聴けたのが嬉しい...泉麻人氏は「僕の昭和歌謡曲史」で同曲についてこのように書いています。

《(前略)サビの「マックス 寂しいんだよ~」の後に、「ドゥドゥドゥドゥドゥ ドゥドゥドゥドゥ...」と、ベースの音真似のようなフレーズを繰り返すところがある。で、最後に「ゴー」と軽く叫ぶのだが、この「ゴー」の声に何ともいえない味があった。
活字にすると「ゴー」というより、「ゴッホ」という雰囲気なのだ。さらに細かく言えば「ゥゴッホ」と、前に小さなウを入れたい。
たとえば郷ひろみ的な「ゴォー!」と腹の底から堂々と吐き出されたような「ゴー」ではなく、自分で書いた「ゴー」というフレーズに照れたように、斜に構えて、こらえていたんだけどつい洩れてしまった-みたいなこの「ゥゴッホ」が好きだった。》

これを読んだ時、どんな感じだったのか凄く気になった憶えがあります。それがここで確認できたわけです...確かに、「ゴー」はホントやる気なさそうな「ゥゴッホ」でした。Youtubeでは最近の映像を確認することができますが、やはり、このように当時の映像で確認するのが一番ですね。泉麻人氏もこの作品観てたのかな....気になるところです。


また、上記の「九ちゃん」のように「実際のテレビ番組の収録風景」が登場するのも、昭和30年代後半から昭和40年代にかけて目立ちますね。フィルムやVTRが残されていないケースが多く、なかなか当時のテレビ番組を現在観ることができない中、このように映画の中とはいえ「その風景」を確認でき、「その雰囲気」を少ないながらも感じることが出来るのは貴重といえます。

ただ、別の面から考えると...映画観客動員数が減りつづける中、以前は「電気紙芝居」と馬鹿にしていたテレビを作品中に出さざるを得なくなっていた...というのが、当時の映画界だったといえますね。気になるのは...本作品公開前に、「九ちゃん」に浜田光夫が出演して公開告知したのか?ということです。でなければ、無意味ですよね?映画館に足を運ばなくなっていた人達が、テレビで「九ちゃん」を観ることで本作品公開の事実を知り、それに「九ちゃん」も登場する...となれば、少なからず観客動員に影響したと思うんですが...気になるところです。

theme : 映画を見て、思ったこと
genre : 映画

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昭和30~40年代って面白い...ので、当時の映画・テレビ番組から気付いたことを気の向くまま書いています

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