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セクシー地帯(1961年)~銀座の掘割~

セクシー地帯 [DVD]セクシー地帯 [DVD]
(2008/03/21)
池内淳子・新宮寺寛他

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昭和36(1961)年に公開された、新東宝制作による作品。
出演は三原葉子・吉田輝雄・池内淳子・三条魔子他、監督は石井輝男。

ある日、吉岡(吉田)は森川部長(九重京司)から預かった書類を街中で掏られてしまう。そのため、吉岡は大阪への左遷を命じられる。それを聞いた恋人の玲子(三条)は森川に左遷取消を求める...というのも、玲子はタイピスト名目の接待女性で、なおかつ森川とも関係を持っていたから(勿論、吉岡には内緒で)。しかし、玲子は自分が所属するクロッキークラブから脱会しようとして...殺される。しかも、吉岡がその容疑者として疑われる。そんな時、書類を掏ったスリ真弓(三原)と出会う。森川から預かった書類から出てきたのはクロッキークラブの会員証...2人はクラブのことを調べ出し、事件の真相を探り始める。吉岡はクラブに関係しているウエートレス秋子(池内)と知り合って内情を聞き出したり、真弓はモデルとしてクラブ潜入したり...が、クラブ側に気付かれて2人は監禁される。が、間一髪で警察が踏み込んで...という内容。

「黄色地帯」に続いて制作された「地帯(ライン)」シリーズの第2弾...と書いている私は「黄色地帯」は観ていません...確か。結構ドキドキさせるサスペンスものである本作品、その全編が銀座でロケされていて、主人公が銀座中を探したり、逃げたり...しているため、当時の銀座を存分に観察できることが嬉しい...
冒頭、吉岡(吉田)が書類を掏られるのは銀座「和光」前。
犯人である真弓(三原)は、地下鉄乗り場へ続く階段へ逃げてしまう...当時、東京で開通していた地下鉄は銀座線・丸の内線・日比谷線くらいのもの。今であれば、都内のいたるところに地下鉄の駅があり、珍しくもありません。しかし、当時はまだまだ「都心の一部」でしか見ることができなかった存在だったはずです...と考えると、「地下へ逃げ込む」というシーンも何か興味深い。

書類を掏られたせいで左遷を言い渡される吉岡...その場所は会社屋上。有名な「森永の地球儀」が間近にあるのを確認できます。この時代の日本映画によく登場する「森永の地球儀」ですが、地上から見上げる図や遠景からの図だったりしますが、本作品のように間近で同目線で見られるというのは珍しい。
また、屋上から見ることのできる銀座一帯に「アドバルーン」が無数に確認できることも時代を感じさせてくれます。

ただ、本作品で最も興味深かったのは...
左遷を命じられた吉岡が、そのことを恋人の玲子(三条)に伝える...というシーン。
この時、2人はボートに乗って話をしているんですね。銀座の近くにボートが乗れるところがあったなんて驚きです。遠くに見えるビルには「東京松竹劇場」という文字を確認することができます。当時の地図を確認すると...現在の首都高速都心環状線が走っているところが、そのまま掘割であったことが分かります。つまり、掘割を埋め立てて首都高速を建設したということ...ということは知っていましたが、掘割でボート遊びができたというのは初めて知りました。今からは想像もできない光景で興味深い。「風情があっていいな」とも思えます。が、当時の掘割は汚れもひどく異臭も強かった...ということも記録されていますから、当時を知っている方々からすると「とんでもない」という思い出がある方もいるのかもしれません。
ちなみに、遠くに見えた「東京松竹劇場」の文字。これは「東京劇場」と「松竹会館」が地図に記されているので、それが重なって見えた...ということでしょうか。

そして、当時の銀座...とは関係なく「時代を感じさせる」シーンも勿論あります。

クロッキークラブのモデルと男性客が待ち合わせをする時、その目印とするのが「ダッコちゃん」。
しかし、ここでは「ウィンキー」と言ってます。ということは、一大センセーショナルな「ダッコちゃんブーム」が起こる前...ということになりますね。ということは、かなり先見の明があったということでしょうか。はたまた「ダッコちゃん」は商品名だから使えなかったとか...気になるところです。

クラブにモデルとして潜入する真弓。
真弓がクラブの支配人にこう言います...「前の男に『お前はトランジスタラジオみたいな女だ』って言われたわ」と。すると「どういう意味だ?」と返す支配人。トランジスタグラマーという言葉があっただけに、てっきり「スタイル」についてのことだと思いきや、「感度がいいってことよ」だそう。
普通の(真空管?)ラジオよりも「トランジスタラジオ」はよく聞こえた...ということだったんでしょうね。って、今じゃ全然通じませんね。

このように当時の銀座を思う存分見せてくれる作品。勿論、オープニングや音楽...すべてがお洒落で格好いい。

theme : 映画を見て、思ったこと
genre : 映画

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昭和30~40年代って面白い...ので、当時の映画・テレビ番組から気付いたことを気の向くまま書いています

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