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何か面白いことないか(1963年)

昭和38(1963)年に公開された、日活制作による作品。
出演は石原裕次郎・浅丘ルリ子・川地民夫・武内亨他、監督は蔵原惟繕。

典子(浅丘)と小池(武内)は平凡な恋人同士。退屈な日々に「何か面白いことないかな」とつぶやく典子の前に現れたのが早坂(石原)。パイロットだった早坂は「自分の腕で生きる」ため、典子が競売にかけた父親のセスナを落札する。が、早坂の条件は「支払は月10万ずつ、担保は自身にかけた生命保険」...興味を持った典子は売ることを決意...するものの、落札できなかった者達の嫌がらせで仕事にならない早坂。そんな早坂を嘲笑するような記事を書く週刊誌記者の小池。が、典子の早坂への興味は次第に憎悪へと変わり...強風の晩、セスナを固定してたロープを切ってしまう。セスナが使い物にならななくなり、稼げなくなった早坂は死ぬしかない状況に...それを小池がまた記事にして大騒ぎに...しかし、後悔した典子は次第に早坂に惹かれ...最後は丸く収まる、と。

石原・浅丘コンビによる作品。作品を観ながら「憎いあンちくしょう(1962年) 」に何か似てるな...と思ったら、脚本(山田信夫)・監督とも同じなんですね。なるほど、なるほど...でも、両作品とも面白い。
「憎いあンちくしょう」は東京~九州までジープで走り倒す...という内容なので、当時の名古屋・大阪等を確認できるという点で興味深い作品ですが、本作品は当時の東京を確認できるという点で興味深い...
冒頭、映画館から出てくる典子(浅丘)と小池(武内)...有楽町の日劇、現在のマリオンですね。
そこから2人が喫茶店に向かうまで、ハンディカメラで映し続けます。
日劇を出て左へ。数寄屋橋交差点が映ります...交番があるのは今と一緒。それを新橋方面へ渡ります...歩いてくる2人の背後には都電が(東京駅方面へ向けて走る「池袋行き17系統」だと思われます)。次いで2人は銀座4丁目方面へ向けて横断歩道を渡ります...当時は今と違って「スクランブル交差点」ではないから「斜め」に渡れなかったんですね。そして2人は銀座4丁目方面へと歩きます...今ではブランド店が軒を並べている場所ですが、当時は「更科」なんて蕎麦屋があったりしたんですねぇ。
この、日劇~数寄屋橋~銀座4丁目方面へと続くシーンは興味深い...

さて...セスナを購入した早坂(石原)。夜、セスナの中で酒を飲みながらギター弾いたりしてます。
早坂に興味半分・憎しみ半分...といった複雑な気持ちの典子が、飛行場に様子を見に来ます。そんな典子に早坂が言います...「若い女の人が(夜1人で)こんな田舎まで来るもんじゃない」と。
でも、これ...調布なんですよね(離陸したセスナから「調布タワー、調布タワー」と管制塔と交信するシーンがあることで調布と分かります)。
まぁ「都内でセスナ」といえば調布でロケしたんだろうな...とは思ってましたが、あからさまに「こんな田舎」と言われてしまうと戸惑ってしまいます。現在は勿論「田舎」とは程遠い調布ですが、当時はまだまだ緑多い「郊外」であることは「悪名高きろくでなし」でも確認できます。それにしても...新宿から20~30分程度の場所を「田舎」とする感覚は現在からすると違和感がありますが、それだけ「心理的距離感」がこの40数年で変化した、ということなんでしょうね。それとともに、これを当時観ていた観客がどう思ったのかを知りたい...

後半、早坂が「死ななくてはいけない状況」になったことを週刊誌が取り上げたため、世間がその話題に持ちきりになる...というシーンがあります。色々な人々が、色々な意見を言っている...場面を素早いカットで次々と映し出す、そんなシーン。
団地・朝ラッシュ時の駅のホーム・銀座4丁目・工事現場・大学構内...
当時のサラリーマン世代における理想の住まいだった団地、団地増加による一層激しくなった通勤ラッシュ、翌年の東京オリンピックへ向けて「いたるところでやっていた」工事現場(別のシーンでは地下鉄工事風景も確認できます)...と当時を垣間見れるカットばかりで興味深いですね。

高度経済成長期、特に「東京オリンピック」を契機として「一気に作り変えられていく姿」を確認できる一方、調布が「田舎」だという点で「現在との心理的距離感の相違」をまざまざと感じられる作品ですね。







theme : 映画を見て、思ったこと
genre : 映画

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昭和30~40年代って面白い...ので、当時の映画・テレビ番組から気付いたことを気の向くまま書いています

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