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薔薇の葬列(1969年)~若者の街、新宿~

薔薇の葬列 [DVD]薔薇の葬列 [DVD]
(2004/02/27)
ピーター他

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昭和44(1969)年に公開された、ATG制作による作品。
出演はピーター・土屋嘉男・小笠原修・城よしみ他、監督は松本俊夫。

ゲイバー「ジュネ」のナンバー1だったエディ(ピーター)は、オーナーの権田(土屋)と関係を持つ。しかし、権田はママのレダ(小笠原)と同棲しており、エディとレダは冷戦状態。エディは父親に蒸発され、母の手で育てられたのだが、ある日母親の情事を見てしまい、発作的に母親を殺してしまう...という少年時代の記憶が甦る。とうとうエディとレダの喧嘩が勃発...した後、レダは不良少女を使ってエディの顔に傷を負わせようとするも失敗。しかも企みがばれて、権田に捨てられ...自殺。ようやく、権田と「ジュネ」を手に入れたエディ。だったが、権田がエディが持っていた家族写真を見て、エディが実の息子であることを知って...自殺する。それを見たエディは...という内容。

ピーターの映画デビュー作。「主人公にピッタリだ」ということで六本木でスカウトされたらしいです。この作品、出演しているゲイボーイは役者ではなく本物(つまり素人)だし、途中でインタビューやNGシーンが挿入されたり、サイレントさながらのドタバタがあったり、挙句には淀川長治が「さいなら、さいなら」と出演してるわ..と、どこまでが劇で、どこまでがドキュメントなのか...という不思議な作品。

個人的には、当時の新宿を存分に見ることができるのが嬉しい...
舞台は新宿であり、当時の新宿の姿が色々と映し出されていて大変興味深い...

冒頭では、新宿通りを伊勢丹方向からマイシティ・東口広場...とカメラがパーンします。東口広場から新宿通り方向へ向けられたカメラが「二幸」を映します。そう、現在の「アルタ」です。「二幸」というのは「海の幸も山の幸も揃ってる」という意味で付けられた名前らしいです...と書いている私は「アルタ」になってからの記憶しかありません。

「新宿の母」でしょうか、「占い」に行列をつくる女性達が映し出されたり、靖国通りには3台の都電が停車している姿を見ることができたり...と、当時の新宿が様々な角度から映し出されます。

興味深かったのは「新宿西口HALC前」のシーン。エディ(ピーター)を含むゲイボーイ仲間3人が、不良少女3人組と喧嘩する場面。
今でこそ、上部にペデストリアンデッキがあるため、HALC前は「蓋をされたよう」になっています。しかし、当時は当然ながら「ペデストリアンデッキが作られる以前」ですから、とにかく開放的な印象を与えます。ペデストリアンデッキの有無で「こんなにも」印象が異なるのか、驚くばかりです...とにかく広く感じるんですよね。西口広場は大々的に開発されたために、基本的な造りは今でも変化がないだけに新鮮です。また、HALC前から青梅街道方向へ向けたカメラには...広々とした空が広がっているのも興味深い。今だったら損保ジャパンを始めとするビルしか見えないだろうに。

ヘルメットを被り、ゲバ棒を持った「ゲバ学生」が登場したり、東口広場で「70年安保」に反対(だろう)する学生達がビラ撒きをしてたり...という姿も時代を感じさせます。

この頃からでしょうか...映画では「新宿」が舞台となる作品が目立ってきます。昭和30年代までは「都会」といえば「銀座」であり、銀座を映し出す作品というのが多く見られます。しかし、昭和40年代以降は「都会」、特に「若者の街」といえば「新宿」だ...ということなんでしょうね。
東京は西へ西へと移動する...と指摘したのはエドワード・サイデンステッカーでしたでしょうか。そーいえば...80年代になると、新宿よりも西にある「吉祥寺」が「若者の街」として注目されるんですよね...んー、どんどん西へ向かってますな...

theme : 映画を見て、思ったこと
genre : 映画

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Author:padavona
昭和30~40年代って面白い...ので、当時の映画・テレビ番組から気付いたことを気の向くまま書いています

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