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青春のお通り(1965年)~団地・ニュータウン~

昭和40(1965)年に公開された、日活制作による作品。
出演は吉永小百合・浜田光夫・松原智恵子・浜川智子他、監督は森永健次郎。

短大を卒業した桜子(吉永)は、人手不足で儲かるだろうとお手伝いさんになることを決意。芦屋の大豪邸に住む浪花家のお手伝いさんとなる。そんな時、大の仲良しの久子(浜川)から兄圭太(浜田)が桜子に好意を寄せていることを教えられるが、給料の安いアテレコの仕事をしている圭太を恋人の対象として見ることができない。浪花家の主人、放送作家の秀介(藤村有弘)の妻ユリコ(芳村真理)は女優。ある日、東京へ撮影に行くのに付き人として桜子がお供することに...撮影所で知り合った若手俳優から告白されたり、仕事の合間に訪れた姉がガス自殺を図ったり...と色々なことが起こったことで、桜子は自分が愛しているのが圭太だと知る...という内容。

日活お得意の「吉永・浜田コンビ」による青春モノ。内容的には予定調和的で、毒にも薬にもならない...のがいいんですよね。バックに映し出される「当時の風景」をじっくり観察できますから。
この作品、大阪が舞台となっており、5年後の大阪万博へ向けて開発されつつある姿を見ることができて興味深いですね...
舞台となっているのが「千里ニュータウン」であり、オープニングは「開発されつつある千里丘陵」を空撮で捉えています。それまで丘陵地だったところが造成され、箱型の団地が建ち並ぶ姿...いかにも、高度成長期を象徴する姿ですね。

現在の阪急南千里駅である「新千里山駅」も映し出されます。いかにも「何も無いところに作りました」って感じの真新しい駅舎、一直線に敷かれた真新しい線路...しかし、やってくる阪急電車は旧型の半鋼製車。
昭和30~40年代、各地で団地・ニュータウンが整備されましたが、その住民の足となる鉄道建設も盛んでした。例えば...東京であれば「多摩ニュータウン」と「京王相模原線・小田急多摩線」とか、「多摩田園都市」と「東急田園都市線」。大阪だと本作品の「千里ニュータウン」と「阪急千里線」が代表的。
そして、これらに共通するのは「真新しい線路・駅」と「旧型車両」という組み合わせ。新線開業当初は、ニュータウンへの入居者人口もまだ少ないために輸送量も少なく、旧型車両・短編成で充分...という事情があったわけです。ニュータウン人口の増加に合わせて、輸送力アップ(車両の大型化・長編成化)をしていこう...という考えだったわけです。
だから、ここで見られるような「真新しい線路・駅」に「旧型車両」の図、というのは「いかにも高度成長期らしい姿」の一つと言えます。

ニュータウン内の造成したばかりのロータリーに面する「マーケット」も映し出されます。今だと「スーパー」だったり「ショッピングセンター」なのでしょうが、一歩店内に入ると...昔ながらの「マーケット」というのが時代を感じさせます。

また、本作品で随所で見られる「ニュータウン内の道路沿いに植樹された木」。これも、個人的には「高度成長期を象徴する姿」です。というのも、これらの木は「まだ成長前」であり、枝葉も「苗木に毛が生えたような」段階なわけです。ですから、沿道の図がすっきりしているというか、すごくスカスカだったりするんですね。これらの木は、今では充分成長していて「緑豊か」な団地・ニュータウンとなっているはず...当時、最先端で「憧れの的」だった「団地」が映し出される作品というのは多いのですが、計画的に整備された道路や箱型団地にプラス、植樹された成長前の木々...に「当時」を感じてしまいます。


東京は「東京オリンピック」に向けて都市改造が実施されたのと同様、大阪は「大阪万博」に向けて様々なところで開発が進行したわけです。
高度成長期を象徴する一つが「団地・ニュータウン」。本作品は、その姿を「かなり丁寧」に撮っています。そーゆー意味で、すごく興味深く見ることができる作品です。

theme : 映画を見て、思ったこと
genre : 映画

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Author:padavona
昭和30~40年代って面白い...ので、当時の映画・テレビ番組から気付いたことを気の向くまま書いています

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