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街燈(1957年)~渋谷周辺~

昭和32(1957)年に公開された、日活制作による作品。
出演者は月丘夢路・南田洋子・葉山良二・岡田真澄他、監督は中平康。

洋裁店を営む千鶴子(南田)は、「弟の定期券を拾ってくれた」お礼に訪れた能瀬(葉山)と知り合う。千鶴子の友人である吟子(月丘)も洋裁店を営んでおり、パトロンがいるにも関わらず、若い小出(岡田)を囲っている。ある日、吟子がパトロンと一晩過ごしている間に店が火事にあう。店に戻ってみると、チンピラが「店を見張っていた」と火事場泥棒のごとく金を請求...するも、千鶴子と一緒に顔を出した能瀬が追い払う。が...その恨みを晴らそうとして、夜になってチンピラ達が能瀬と喧嘩。吟子はパトロンとも浮気していた小出とも分かれて再出発を決意...するのと期を一にするように、能瀬も田舎へ帰ることに。惹かれ始めていた千鶴子はその帰りを待つ、という内容。

「狂った果実」や「牛乳屋フランキー」と同一人物が監督した作品とは思えません...が、本作品が「最も中平康らしい作品」とのことです。オープニングやラストシーンなどを観ていると、なんか日本ぽくなくてフランスとかの外国映画っぽいんですよね。衣装を森英恵がデザインしていたり...ってことがクレジットされていること自体、当時では珍しかったんではないでしょーか。
とは言っても...本編が始まれば、そこに映っているのは当時の東京。興味深い場面もいくつか...

千鶴子(南田)と吟子(月丘)はともに洋裁店を営んでいますが、吟子の店が銀座にある一方、千鶴子の店は渋谷にあるんです。
しかし、千鶴子の店を映し出す画面には「どこを探しても」渋谷と分かる片鱗すら見つけられません...普通の「郊外住宅地」って雰囲気です。現在でも、駅から少し離れれば「松涛」の高級住宅街となっていますが、そんな感じでもないんですよね。ホント、私鉄沿線の郊外住宅地という雰囲気なんですよね。渋谷が今のような発展を見せるのは、1970年代の西武・東急による開発が契機となった...ことを考えて本作品を観ると、それ以前の渋谷(周辺)が「いかに普通の住宅地」だったかが分かろうというものです。
能瀬(葉山)も近くに住んでいるらしく、ある日千鶴子が自転車で訪れるシーンがあります。その時にチラっと東横線が映ります。ということは、能瀬の家は代官山寄りだったということでしょうか。そんなに大きくはありませんが、庭もある日本家屋なんですよね。ま、今だと場所柄考えられませんが、興味深い。

また、冒頭では「丸の内線」が登場します。どこの駅かは分かりませんが、ホームで撮影されています。当時、東京に走る地下鉄は銀座線と丸の内線のみ...という時代。そして、銀座線が戦前から存在していたことを考えると、戦後初の地下鉄が丸の内線だったわけで「最新鋭の交通機関」と言っても良かったんじゃないでしょーか。というのも...
「弟が落とした定期券」が実は「女性と知り合うチャンスを作るため、わざと落としたんじゃないか」という話になり、弟の友達の成功談・失敗談を話す...ってところで、再現VTRよろしく「丸の内線とホーム」が映されます(ここで、チラッと小沢昭一が出演してます)でも、定期券だったらバスでもいいわけですし、当時は縦横に走っていた都電でもいいわけですよね?それなのに丸の内線。やはり、戦後初の地下鉄ってことで「最先端スポット」だったからでは...と考えてしまいます。だからなのか、丸の内線もホームもピッカピカ。すごーく綺麗。実物じゃないみたいで、違和感を感じたぐらいです。

theme : 映画を見て、思ったこと
genre : 映画

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Author:padavona
昭和30~40年代って面白い...ので、当時の映画・テレビ番組から気付いたことを気の向くまま書いています

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