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あねといもうと(1965年)~鰹節、アドバルーン他~

昭和40年(1965)年に公開された、松竹制作による作品。
出演は山村聡・岩下志麻・倍賞千恵子・久我美子他、監督は川頭義郎。

高岡(山村)には、ふみ子(岩下)・節子(倍賞)・ちづ子(中村晃子)という年頃の娘がいる。そこへ、亡き長男の嫁だった芳枝(久我)が、高岡の勧めもあって居候することになる。ふみ子には叔母がせっせと見合い話を持ちかけるが、高岡の基準が高いのか、離したくないのか...どれもまとまらない。が、たまたま出会った小学校教員の青木が一目惚れ、プロポーズを受ける。節子にも恋人がいるが、双方の親が反対して...いる間に、その恋人が死んでしまう。それを見たふみ子は、青木との結婚を決意。節子や芳枝の応援もあって、反対だった高岡も賛成へ。そして、芳枝も独立する...という内容。

年頃の娘の結婚問題に揺れる父親...なんか小津安二郎の映画で見られるようなテーマですね。母親が亡くなっていて「父と娘達」という家族構成、長女が母親代わりのように家事をしてたり...というのも一緒。父親は長女にいつも「早く嫁に」とか言いながら、いざとなると色々と理由をつけて「結婚に反対する」...というのも似てます。小津作品では、そんな父親を佐分利信が演じてましたね。

とか言いながらも、興味深い風景やシーンが多くある作品です。
節子(倍賞)と恋人が会社の屋上で話しているシーン...周りには高い建物がまだ少なく、心なしか空が広く感じます。遠くを見ると、アドバルーンが上がっているのを見ることができます。そーいえば、アドバルーンも昭和30~40年代を象徴するアイテムですね。当時の銀座辺りの写真を見ると、それこそ「ガンガン」上がっている姿を見ることができます。私が物心ついた頃には下火になってたのではないでしょうか?ただ、絵本とかに出てくる「街の絵」には景気よく何個ものアドバルーンが描かれてましたが...

そんな節子が台所で鰹節を削るシーンなんてのも出てきます。やっぱ、当時は鰹節は各家庭で削るのが普通だったということですよね。調べてみると、今のようにパック状の削り節(フレッシュパック)が「にんべん」から発売されたのは昭和44(1969)年とのこと...この作品公開の4年後ということですね。
「鰹節を削る」なんていうと「田舎の日本家屋」なんかが思い浮かびます。が、この作品では舞台となる高岡家が田園調布の結構な屋敷でして...当時としたら贅沢な造りのダイニングキッチンで「鰹節を削っている」というのは...今の目から見ると違和感があって興味深い。

また、ふみ子に一目惚れをする青木が勤める小学校がチラっと映るのですが、木造校舎と鉄筋校舎が混在しているんですよね。戦後、東京への人口集中にともなって問題になったのが住宅問題と学校不足。当時新設された小学校は勿論鉄筋だったのでしょうが、昔からある小学校は、増加する生徒数に対応するために新校舎が増設されたのではないでしょうか?そして...その後、老朽化する木造校舎が続々と鉄筋校舎に取って代わられた...ことは容易に想像できます。とすると、「木造校舎と鉄筋校舎が混在する姿」というのも「昭和30~40年代ならでは」の姿と言えるでしょう。

以前、「柵のない都市河川」が昭和30~40年代ぽい...と指摘したことがありますが、ここでも出てきました。高円寺か阿佐ヶ谷辺り...という設定みたいですが、節子の恋人が住んでいる家の近くを流れる川...柵がないんですよねぇ。今だったら「子供が落ちたらどーすんだ!」とかのクレーム頻発でしょうね。でも、柵がないだけで「こうも印象が違うか」という感じです。今の目から見るといい意味での違和感があります。


theme : 映画を見て、思ったこと
genre : 映画

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Author:padavona
昭和30~40年代って面白い...ので、当時の映画・テレビ番組から気付いたことを気の向くまま書いています

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