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煙突の見える場所(1953年)~イントネーション~

煙突の見える場所煙突の見える場所
(2005/09/22)
上原謙・田中絹代他

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昭和28(1953)年に公開された、新東宝制作による作品。
出演は上原謙・田中絹代・高峰秀子・芥川比呂志他、監督は五所平之助。

千住にある通称「おばけ煙突」の近くに住む、隆吉(上原)と弘子(田中)夫婦。2階にはお互い独身の仙子(高峰)と健三(芥川)が下宿している。至って平凡な夫婦と下宿人だが、ある日、隆吉が仕事から帰ると捨子の赤ん坊が寝かされているのを見て驚く。それは、戦災で死別したと思っていた弘子の前夫が別の女性に産ませた子だった...が、家中が大騒ぎとなる。夫婦喧嘩になったり、赤ん坊が病気になったり...と様々な問題が起こるが、最後は丸く収まる...という内容。

「懐かしい昭和の東京」といったものを扱う書籍・文献では、必ず登場する「おばけ煙突」。正式名称は「千住火力発電所の煙突」で、昭和39年まで存在したとのこと。4本ある煙突が、見る場所によって1本~4本に見えたから「おばけ煙突」と...この作品では3本に見える場所が舞台となってます。
しかし、個人的に気になったのはソレではなく、別なモノでした。
それは...話している言葉の「イントネーション」なんです。ただ、「普通の会話におけるそれ」ではありません。

この作品、上原謙演じる隆吉のナレーションをバックに、一日がスタートする「早朝」の光景から始まります。弘子(田中)が朝食の用意をしている横で、ラジオが流れています。「JOQR、JOQR、こちらは日本文化放送です...」と。テレビ放送が開始されたのが、本作品が公開された昭和28(1953)年であり、一般家庭に入り込むのはまだ先のことなので、ラジオが一般的だったのは別におかしくないのですが、この当時のラジオ(やテレビ)から流れてくる言葉(ナレーション?)って、一種独特のイントネーションを持ってますよね?なんて言うんでしょか...抑揚を敢えて抑えたというのか、一本調子というのか...個人的にすごく時代を感じる部分だったりします。
また、昭和30年代のテレビ番組等で子供達が話しているシーンでも同じような感覚を持ちます。なんか、イントネーションというか言葉遣いというか...今と違ってて違和感を感じますね。

また、下宿人の仙子(高峰)が勤めているのが「街頭放送所」。そこでアナウンサー(と言えばいいんでしょうか)をしています。商店街とかで流れてくる「各商店の案内放送」ですね。あらかじめ録音したものを流している...なんていうのは今でも耳にすることはできますが、この時代はそれこそ「ライブ」だったんですねぇ。仙子がマイクに向かって原稿を読むシーンも出てきます。確か、新宿駅東口でもつい最近まで耳にすることができたと思うんですが...
しかし、何よりも驚いたのが...仙子がやる商店紹介の声・トーン・イントネーションが、その新宿駅東口で耳にしていた「あの商店紹介のナレーション」にそっくりだったこと。ちょっと高音で、無機質で、独特のイントネーションで...当時は誰がやっても同じようになった、ということなんでしょうか?すごく不思議...

そーいえば、3年前に「ALWAYS 三丁目の夕日」を観に行った時、ディテイールが細かくて「良くできてるなー」と興味深く観ることができた反面、「なーんか違うなー」と思ったことがありました。色々考えて...思い当たったのが「イントネーション」だったわけです。昭和33年を忠実に再現された中で、現在の言葉をしゃべる出演者達...今とは違う、あの時代に聞かれた「話し言葉」というか「独特のイントネーション」...それがあれば...と思った次第です。

theme : 映画を見て、思ったこと
genre : 映画

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Author:padavona
昭和30~40年代って面白い...ので、当時の映画・テレビ番組から気付いたことを気の向くまま書いています

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