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女房学校(1961年)~死語~

昭和36年に公開された、大映制作による作品。
出演は山本富士子・叶順子・朝丘雪路・川口浩・川崎敬三・森雅之他、監督は井上梅次。

料亭女将の松代(山本)は、夫(森)が金魚の研究に没頭して仕事をしないことに怒って追い出してしまう。エリートサラリーマン菊川(川崎)を夫に持つ経子(叶)は、仕事に没頭する夫に愛想を尽かして、初恋相手である高野(川口)と一晩飲み明かす。高野はTVプロデューサーのまり(朝丘)とドライな契約結婚をしているが、すれ違いの生活に不満で経子の誘いに乗る...そんなことから起こるドタバタの末、松代の父(小沢栄太郎)・経子の父(千田是也)とバーのマダム(月丘夢路)が一計を案じて...丸く収まる...という内容。

大映人気女優3名に、川口・川崎というお馴染みのコンビだけでなく森雅之も絡む...という結構豪華なコメディ作品。セットで撮影されている割合が高いので、当時の東京風景を垣間見るという点では不満ですが、出演陣が言う台詞に興味深い点が散見されます。
例えば...

「すごい低気圧だわ」
帰ってきた松代(山本)が機嫌が悪いことを指して女中が言った言葉。意味は勿論すぐ理解できますが、さすがに今は使われませんね。いつ頃まで普通に使われてたんでしょうか...気になるところです。今の時代だったら、さながら「すごいゲリラ豪雨ね」って感じでしょうか。

「パージですよ」
松代に家を追い出される夫(森)が、「どーしたんだ?」と聞く松代の父(小沢)に言った言葉。辞書的には「追放・排除」の意味ですが、これは昭和25(1950)年の「レッドパージ」から来ているのは確かでしょう。GHQのマッカーサー司令官の指示によって実施された「共産党員(とシンパ)の公職追放」に関連して、公務員や民間企業においても「日本共産党員とその支持者の判断された者」が退職に追い込まれた...ことがレッドパージと呼ばれるものですが、勿論「史実」としてしか知りません。しかし、それから10年以上経った当時でも「パージ」という言葉が使われていたということは、かなり息の長い言葉だったんですね。

「ぐっと、近代的で合理的だわ」
仕事ばかりの夫(川崎)に不満を持つ経子(叶)が、契約結婚をしている2人(川口と朝丘)を指して言った言葉。「ぐっと」というのは、当時の作品を観るとよく聞かれますね。可愛い子を見て「ぐっときちゃうなぁ」とか、ステキな男性を見て「ぐっときちゃうわ」とか...結構後々まで使われてたんじゃないかな、と思うんですが、いつ頃まで普通に使われてたんでしょうか。悪くないと思うんですけどね、「あの子やばくね?」なんて言葉より...
近代的・合理的...これも、この当時の映画・TVを観ているとよく耳にする言葉です。いかにも高度成長期に相応しい言葉な気がします。とにかく新しいもの・ことが良いのだ、という感じで。右肩上がりまっしぐら、という雰囲気がひしひしと伝わってきますね。

他にも色々とあるのですが、こう見てみると時代を感じるというか...隔世の感がありますね。また、この時代ならではの言葉ではないのですが、若者が何気なく使う言葉じゃないだろう...という例もありました。高野(川口)がまり(朝丘)と夫婦で旅行に行く約束が、まりの仕事が忙しいということでキャンセルになったことを受けて、高野が経子にこう言います...「いやぁ、お茶をひいちゃってね」と。落語の郭噺じゃないんだから...落語好きの老人が言うんだったら様になるんでしょうが、いい若いもんが...って感じです。でも、今の時代に使ったら、逆に新しいかも...


theme : 映画を見て、思ったこと
genre : 映画

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昭和30~40年代って面白い...ので、当時の映画・テレビ番組から気付いたことを気の向くまま書いています

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