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林檎の花咲く町(1963年)~青山通り~

昭和38(1963)年に公開された、東宝制作による作品。
出演は白川由美・藤木悠・中丸忠雄・高石かつ枝他、監督は岩村克己。

東京の音大を卒業した桂子(白川)は、秋田の高校に音楽教師として就職する。が、これは本家の養女となるためであり、本人はすぐにでも東京へ戻ろうと考えている。音楽を教える傍ら、3年E組の副担任になったり、生徒達の希望でバレーボール部のコーチになったりする。が、そんな中...年配教師達との価値観の違いに戸惑ったり、生徒達の進路問題(進学・就職)に悩んだり、生徒達が問題を起こしたりする。また、独身教師(藤木・中丸)に好意を寄せられたり...と様々なことが起こる中、東京に戻ることなく教師を続けていく決心をする...という内容。

秋田を舞台にした、地方に住む高校生事情も絡んだ青春ドラマ。デビュー直後の峰岸徹が「峰健二」の名前で出演していたり、その後、科学特捜隊(ウルトラマン)のイデ隊員となる二瓶正典が出演していたり...と結構楽しめます。「そっか、イデ隊員は農業高校を卒業して科特隊に入ったのかぁ」と...
舞台は秋田...昭和30~40年代、特に当時の東京の風景には目が無い私からすると、物足りなかったりするのですが、そんな中でも興味深いシーンは勿論あります。

冒頭、音大の卒業式後の謝恩会らしきシーン。ホテルの庭園に面した謝恩会場。白川を先頭に男女4~5人が会場から庭園に出てきます。そして、庭園に面した階段を上がり、テラスとなっている2階へと...その途中、階段の奥(2階テラス奥)に「赤坂プリンスホテル」と、取ってつけたような看板が...まぁ、赤坂プリンス全体が映し出されるわけでもないので、このシーンだけでは「赤プリ」と分かる人は少ないでしょう。だから、わざわざ「取ってつけた」ように看板を付けたんでしょう。それとも、元からあった「オフィシャル」な看板?いやいや、そーじゃないでしょうね。

この直後、秋田に行きたくない白川が「東京に残ってたいなぁ」と遠くを見る...というシーンがあります。カメラはちょうど赤坂見附を映し出します。画面には渋谷方面へ伸びる青山通りが見えます。時あたかも「東京オリンピック」の前年です。東京中が「ガガガ」「ドドド」「バババ」と工事中だった時期です。青山通りも拡幅工事中であることが確認できます。これを見ると、渋谷方面へ向かって「右側を拡幅」して約2倍の広さになったことが分かります。現在だと都心に向かう車線のところが、きれーに立ち退かされて更地になってるんですよね。ということは...昔は、渋谷方面へ向かう車線のみの広さの道路に、上下車線+都電の線路があったということなんですね。かなり狭かったことでしょう。
こんな風景も、当時を知る人達からすれば「なんてこたーない」風景だったり、「いやー懐かしいなぁ」という感じなんでしょうが、現在の「都市インフラ」が出来上がりつつある風景を(一瞬とは言え)画面で見ることが出来るのは、物心ついた頃には「都市インフラ」が完成していた私から見ると...なんか興味深いというか新鮮なんですよね。このシーンだけで個人的に価値ある作品になっちゃいました。

舞台は秋田に移り、白川が3年E組の副担任になるシーン。ちょうど夏休み直前で、担任の藤木が夏休み中の補習について発言したあとに続いて、白川の「補習や部活のあとに皆さんでコーラスしたいと思います!」という提案が...そしてクラス中の「わーい!」というリアクション。高校3年にもなって、コーラスすることに喜ぶというのが「すごーく違和感」を感じます。確か、当時は歌声喫茶とかも盛んだったはずですから、「コーラス」というか「みんなで歌う」ことがクールだったんでしょうね。時代ですなぁ。

若手教師と年配教師の価値観相違、進路問題...等々、学園モノは昔から「題材」は変わらないんだなぁ...と思いながらも、ここかしこで興味深いシーンも観れる作品ですね。

theme : 映画を見て、思ったこと
genre : 映画

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昭和30~40年代って面白い...ので、当時の映画・テレビ番組から気付いたことを気の向くまま書いています

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