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おかあさん(1952年)~向ヶ丘遊園~

おかあさんおかあさん
(2007/08/20)
田中絹代・三島雅夫他

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昭和27(1952)年に公開された、新東宝制作による作品。
出演は田中絹代・香川京子・岡田英次・三島雅夫他、監督は成瀬巳喜男。

洗濯屋だった福原家は戦災で焼け出されるが、父親(三島)・母親(田中)・長女(香川)が各々仕事に励み(父は工場の守衛、母は露天で飴売り、長女も露天でアイス売り)、父親の弟子だった木村(加東大介)も加わって、ようやく洗濯屋を再開する。長女は近所にあるパン屋の息子(岡田)との仲も順調...そんな矢先に病弱だった長男(片山明彦)が亡くなり、父親も無理がたたって倒れて亡くなってしまう。母親は木村の手解きを受けながら、長女と共に店の切盛りをする。そんな中、将来のことも考えて次女を養女に出すことになり、預かっていた甥も引き取られることが決まったりして寂しくなるが、小僧さんを迎えて心機一転...といった内容。

香川京子演じる長女の目から見た「母親もの」といった作品。内容的には重たそうなんですが、結構明るくコミカルに描かれてます。時代的には高度経済成長期に突入する直前であり、高度成長期特有の雰囲気は見られませんが、個人的にはかなーり興味深い風景がありましたね。

冒頭のシーンでは、画面奥から走ってくる京浜急行の電車が映されます。一家が住んでいるのは京急沿線、蒲田辺りだったんでしょうかね...現在では最長12両編成が疾駆する京急ですが、ここでは2両編成...時代を感じます。車両はデハ230型だと思われ、戦前の京急の特徴である「大きな窓」を持つ姿が格好良く、個人的には大好きな車両の一つです。

しかし、それよりも印象的だったシーンが...
次女が養女に貰われていく直前、母・長女・次女・甥の4人でピクニックに行くというシーン。「どこに行くのかなぁ」と思って観ていると...向ヶ丘遊園なんですよね。デカデカと映し出される看板には「向ヶ丘遊園」ではなく「向ヶ丘遊園地」と書かれています。子供達ははしゃいだり、走り回ったりと大喜びなんですが、その子供達を映している画面のバックには...「どこぞの田舎だ?」というくらい山深い風景を確認できます。高度経済成長期に宅地開発される直前の姿で興味深いですね...これを見る限り、元の地形の原型をとどめないくらい開発されたことが想像できます。
向ヶ丘遊園は平成14(2002)年に閉園されてしまいましたが、以前は向ヶ丘遊園駅から向ヶ丘遊園正門までモノレールが通ってたのを思い出します。確か、一度か二度乗ったこ記憶があります。平成13(2001)年に廃止された後、しばらくは支柱やレールが遺産の如く残っていましたが..
そんなモノレールが開通する昭和41(1966)年まで、この区間には豆汽車(豆電車)が走っていたことは文献等で知ってはいました。写真で見る限り、遊園地にあるようなホント「子供用」の小さい車両なんですが...この作品では、その向ヶ丘遊園に向かう「豆電車」に乗っているシーンがあるんですよ!これは嬉しい驚きでした。モノレールはよくドラマとかでも取り上げられていた憶えがあるのですが、まさか、その前身の豆電車の動いているシーンを観ることができるとは...貴重じゃないんですかね?
さすがに田中絹代は窮屈そうで、やはり「子供用」サイズだったんだなぁ...と当然のことに関心したり、現在の「あの」周辺とは容易に想像できない線路沿い風景に驚いたり...と、このシーンだけでも個人的に価値がある作品でした。

theme : 映画を見て、思ったこと
genre : 映画

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昭和30~40年代って面白い...ので、当時の映画・テレビ番組から気付いたことを気の向くまま書いています

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