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驟雨(1956年)~商店街~

昭和31(1956)年に公開された、東宝制作による作品。
出演は原節子・佐野周二・小林圭樹他、監督は成瀬巳喜男。

結婚して4年目の夫婦(佐野・原)には子供もなく、倦怠期を迎えていて口喧嘩か絶えない。そんな時、新婚早々の姪がやってきて夫の不満を漏らしたり、会社では経営難でリストラが始まったり...と様々なことが起こりながらも、姪からの「夫と仲直りした」旨の手紙がきっかけとなって二人は仲直りしる...という内容。

成瀬監督作品らしく、ありふれた日常を描いた作品で好きなのですが、舞台が東京近郊の新興住宅地ということも好きな理由ですね。
画面を見ると、元々は田圃や畑だった土地を(ある程度)区画整理したであろうところに、夫婦2人が住むには丁度良いサイズの家が建ち並んでいるのを見ることができます。各戸には小さいながらも庭もあります。家の周囲や駅までの道はまだ舗装されていません。

さて...これはどの辺りなのか?と思いながら観ていると、駅が映し出されます。駅舎は木造であり簡素な造りですが、良く見ると「梅ヶ丘」という文字を見ることができます。小田急線の梅ヶ丘駅だったんですね。今では高架複々線となっている箇所で、面影なんぞは全くありません。
それにしても...新宿から15分程度のところとは到底思えない映像です。

妻(原)が駅前商店街で買い物をするシーンも興味深いですね。未舗装の道路の両側に、大型スーパーがあるわけでもなく、普通の商店が軒を並べています。人出も結構あり賑やかです。パッと見、「下町風情の商店街」と思ってしまいます。
しかし...考えてみると、昭和40年代以降に大型スーパーとかができる以前は、下町に限らず、所謂「山の手」と呼ばれる東京西郊の私鉄沿線にある商店街は、どこもこんな感じだったのではないでしょうか?
(アド街みたいな)テレビ番組で東京郊外が取り上げられる際に、「でも、駅前にには下町風情の商店街も...」なんてナレーションを耳にすることがありますが、下町っぽいのではなくて、大型スーパーが出現する以前(昭和30年代まで)に宅地開発されたところで、当時から開業している商店が今でも残っている...ってことですよね?
ま、そーゆー商店街が下町と言われる東東京の方に(西東京よりも)多く残っているから、昔ながらの商店街は「下町っぽい」ということになるのでしょうね。

...てなことを、この作品を観ながら考えてしまいました。

theme : 映画を見て、思ったこと
genre : 映画

comment

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今日偶然このブログ拝見させていただきました。この時代に幼少時代を過ごした者です。
私も当時の微かな記憶を映画から探しての発見を楽しんでいるのですが、
この驟雨という映画は私が小田急線の経堂生まれということもあって興味深い作品です。
調べてみると商店街は梅ヶ丘と祖師ヶ谷大蔵との合作だそうです。
駅舎の形態も30年代初期の経堂駅と同じで当時の記憶が蘇ります。
オリンピックを機に道路も含め、めまぐるしく変わっていく前の独自の文化をみると何故かホッとします。

はじめまして

ジェロームさん、コメントありがとうございます。
私は昭和47年生まれで昭和30年代を経験していないのですが、なぜか「あの時代」に興味があるんですね。今ある都市インフラとか生活習慣が「あの時代」に出現したことを考えると、半分は「今とつながってる」んだけども、半分は「時代錯誤」的な...という感じを受けてまして。そこがすごく興味深いんですよね。実は、私も今は小田急線沿線に住んでまして...あの当時の映画やTVドラマには小田急線がロケで結構使われてて...その変貌振りが楽しいですね。
これからもお寄り下さい。
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昭和30~40年代って面白い...ので、当時の映画・テレビ番組から気付いたことを気の向くまま書いています

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