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日本一のゴリガン男(1966年)

日本一のゴリガン男 [DVD]日本一のゴリガン男 [DVD]
植木等・浜美枝 他

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昭和41(1966)年に公開された、東宝制作による作品。
出演は植木等・浜美枝・進藤英太郎・藤村有弘他、監督は古澤憲吾。

西北商事に勤める日本等(植木)は、ある日頭に鉄骨が直撃して脳外科手術することになる。その結果、頭の回転が100倍のスーパーサラリーマンになる...が、すでに会社は倒産。会社があった場所は統南商事という会社に変わっていた。しかし、ここで日本は「日本等課」なる課を(一人で)作ってしまい、職業別電話帳1冊だけで様々な商談をまとめあげていく。ワンマンな社長(進藤)も日本を認めて係長にする...も、会社は倒産寸前であることを社長令嬢の百合子(浜)から聞かされる。そして、会社再建のために「どんな水でもきれいな水にする」装置を水無市に売り込もうとするが...という内容。

クレイジーキャッツの「日本一」シリーズの第4作目。とにかくテンポが良く、当時のクレイジーキャッツ...というか植木等の馬鹿馬鹿しいまでのエネルギーが感じられる作品。「無責任」シリーズの無責任サラリーマンから一転して「モーレツ社員」になっている点などは、その後「エコノミックアニマル」などと揶揄される、当時の「高度成長期」日本を象徴しているようで興味深い。勿論、作品中には「時代」を感じさせる光景がいくつも垣間見られる。



冒頭...仕事をさぼっていた日本(植木)が慌てて駅に向かうシーンでは、新宿の大ガード(青梅街道と小滝橋通りとの交差点)が映し出される。さすがに当時からビルが林立していて、現在とそんなに変化がない光景だが、通りを走っている車は(当然ながら)当時のもの。

このような場面を見る時、いつも変な感覚に襲われる。

高度成長期とは日本がドラスティックに変貌を遂げた時代である。現在では当然のように存在する「家電・都市インフラ」が一気に登場した一方、それと相反するように様々なものが消滅していった。これが同時に起こった時代だからこそ興味深い。勿論、高度成長期以降の時代も色々と変化はしてきたが、高度成長期の変化と比較すればマイナーチェンジに過ぎないと言える。
そういう意味で、このシーンでの「現在とあまり変化がない光景」と「あまりにも時代がかった自動車群」の取り合わせは、まさしく高度成長期を象徴している場面と言える。

なお、横断歩道は2本の線が引いていあるだけで、現在のように2本線の間に白線が縞々に引かれていない。これは当時の作品を観ると良く見られる光景だが、いつくらいから「白線の縞々」は登場したのだろうか。


さて...日本が統南商事でやる最初の仕事の舞台となるのが、船橋ヘルスセンター。
私が5歳の時に閉場しているので、当然のことながら記憶にはない。本作品では、高い位置から俯瞰して映し出されるのだが、モノレールや観覧車もあり、思っていた以上に広大なのには驚かされる。
それ以上に興味深いのは、正門前にある車に書かれている「東洋一の娯楽場」というキャッチ。「東洋一」という言葉も今では聞かれないし、「娯楽場」というのも時代を感じさせる。


また、タクシーで都内を走るシーンでは、車内から前方を映し出していく。これを観ると、当時の東京はいかに「空が広く、開放感があった」かということが分かる。その一方、都電の架線が縦横に張り巡らされている点については、今の目から見ると「ごちゃごちゃ」している感は否めない。いずれにしても興味深いシーンではある。


日本が市議会議員の黒原(藤田まこと)を浄水場に連れて行くシーンでは、周囲には何もない小高い丘に作られたばかりと思われる浄水場が登場する。ここはウルトラマンでも使用されたことでも有名な、川崎市生田にある長沢浄水場。周囲は宅地化されてマンションも多くなった現在から見ると、昔日の感に堪えない。


なお、本作品では「びっくりしたなーもー」や「シェー!」などの当時の流行語が脈絡もなく放たれる他、「こんなものオバQ的シロモノで...」という台詞も聞くことができる。

これらは当然ながら「テレビ」を出自とする流行語である。テレビが登場した時は、映画関係者は「電気紙芝居」と馬鹿にしていたのは周知の事実。しかしテレビが急速に普及した結果、すでにこの当時は映画観客動員数は右肩下がりの時代であり、流行語も「映画から」ではなく「テレビから」発生するようになった時代と言える。そして、それにあやかるように「映画」がそれを取り入れる...ここに、その後の「テレビ界」と「映画界」の状況がすでに見られることも興味深い。


とにかく、興味深いシーンが多い作品。

theme : 映画を見て、思ったこと
genre : 映画

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Author:padavona
昭和30~40年代って面白い...ので、当時の映画・テレビ番組から気付いたことを気の向くまま書いています

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