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羽織の大将(1960年)

昭和35(1960)年に公開された、東宝制作による作品。
出演はフランキー堺・加東大介・桂小金治・団令子他、監督は千葉泰樹。

落語家になることを決心した忠夫(フランキー)は、桂五楽(加東)に弟子入りする。小文という名をもらい、兄弟子の小丸(小金治)について前座修行が始まる。てっきり法律事務所に勤めていると思っていた母親(梅野公子)の怒りを買うも、五楽が間に入り、妹勝子(原知佐子)とアパート住まいを始める。そんなある日、小文の即興漫談を見たプロデューサーに気に入られてラジオ・テレビに出演するようになる。一気に売れっ子となった小文、学生時代の友人(藤木悠)の選挙応援を手伝ったはいいものの、選挙違反の片棒を担いだということで逮捕されてしまう。なんとか釈放されるも、マスコミからは干されてしまい、兄弟子である小丸とも喧嘩になり...という内容。

最近、日活創立100周年記念として再度公開された「幕末太陽傳」の居残り佐平次と同様、はまり役ではないかと思われる、フランキー堺主演作品。桂文楽が本人役で出演していて高座姿も観ることができる他、司会・タレント姿しかしらなかった桂小金治の高座姿も観られる...など見所満載な作品。また、当時の世相・光景も垣間見ることができて興味が尽きない。

冒頭、忠夫(フランキー)が弟子入りするために桂五楽(加東)宅へ向かう場面。駅前を走る都電ととともに四ッ谷駅が映し出される。この時代ならではだが、高層建物は(当然ながら)少ないため、やたら空が広く感じられる。


桂五楽に弟子入りをお願いする場面では、次のようなやり取りが交わされる。

忠夫 「全落連の委員長として...」
五楽 「全学連?」

60年安保の年に公開された作品だけに、全学連をもじった「全落連」とはさすが洒落が利いているし、当時としてもかなりタイムリーだったと思われる。


売れっ子になった子文はラジオ・テレビと大忙し。当時のラジオ・テレビ収録風景などが映し出されていて...大変興味深い。

「なにしろ、現代はマスコミの時代ですから」

という台詞も、テレビが新たなメディアとして登場してきた当時を充分に感じさせてくれる。そんな中、小文がテレビCMを撮影する場面では「わたしは貝になりたくないっ!」なんて台詞を言う場面もあって大変面白い。


また、60年安保の年だけに、妹勝子(原知佐子)が友人とともに学生運動に夢中になっていく姿、また、彼女が発する「ナンセンス!」という言葉やデモ光景などなど、当時という時代を感じさせてくれる。

大学時代の友人(藤木)に選挙応援を頼まれるのが、柳橋にある料亭という設定...というのも興味深い。
料亭・花柳界としてよく見るのは柳橋のほかに赤坂・新橋などがあるが、赤坂・新橋は現在でも人が集まる場所としての地位を確保していると言えるが、柳橋はあまりにも対照的である。
現在では柳橋の場所すら分からない人が多いだろうが、当時の作品ではよく出てくる地名であるだけに隔世の感が大きい地名の一つと言える。


作品としても秀逸だが、昭和30年頃の光景・世相も垣間見られるという意味でも面白い作品。

theme : 映画を見て、思ったこと
genre : 映画

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昭和30~40年代って面白い...ので、当時の映画・テレビ番組から気付いたことを気の向くまま書いています

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