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スパルタ教育 くたばれ親父(1970年)

昭和45(1970)年に公開された、日活制作による作品。
出演は石原裕次郎・若尾文子・渡哲也・小池修一他、監督は舛田利雄。

田上(石原)はプロ野球審判員としての活動と後輩指導に精を出す日々。後輩審判員の指導のために2軍戦を観戦していたある日のこと。ジャッジを不服とした選手原(渡)が審判を突き飛ばす事件を起こし、田上は原を「コミッショナーに報告する」として2人は一触即発となる。そんな原が「根性を叩き直してほしい」と田上家にやって来て、いつの間にか居ついてしまう。そんな中、先輩審判員の小島(青木義朗)が試合直前に倒れて危篤状態となる。絶縁状態だった小島の娘雅子(有川由紀)に会わせるべく、田上と原は学園闘争中の高校に乗り込んでいく。それを見ていた高校側が2人にバスケットのコーチを頼み、2人は堕落しきった高校生たちをスパルタで叩き直したりする…も、田上の妻尚子(若尾)は田上の不規則な生活や子供の成績下落を理由に家を出てしまうが…という内容。

石原裕次郎に(大映の看板女優)若尾文子をあてるという、昭和30年代だったら「夢のような」取り合わせ。しかしながら…大映も当時すでに倒産しており、日活はこの翌年に「ロマンポルノ路線に転向」することを考えると、当時の映画界の(どうにもならない)状況が垣間見えるようで感慨深い。内容も「推して知るべし」な感じだが、時代を感じられるシーンが多くて興味深い。
オープニングは「東京駅のラッシュ」や「新宿駅前の若者達」など、当時の光景が流されます。
「都会や若者」といえば「銀座」だった1960年代から、新宿が「若者を代表する街」になりつつある画に1970年という時代を感じさせて興味深い。

作品の設定が、石原裕次郎が「プロ野球審判員」で渡哲也が「プロ野球選手」であることから、懐かしいロッテ・オリオンズのユニフォームを着た渡哲也を見ることができたり、当時の後楽園球場での「巨人・大洋戦」の光景を見ることができます。
そして、それを妻尚子(若尾文子)や子供達が家のテレビで観るシーンでは、こんなCMが流れます。

「町作り、国作りに貢献する織戸組!」

しかも複数回。
最初は「今作品のために用意した架空のものかな」と思ったのですが、調べてみると実在する会社なんですね。驚きです。
織戸組からすれば「CM効果」や「売上アップ」を狙い、日活側からすれば「少しでも収入を増やそう」といった狙いから生じたものだったのでしょう。しかし織戸組、現在の年間売上30億強。建設会社売上ランキングで50位が300億ですから、中堅規模とも言えない規模。日活側のアプローチに中堅規模の会社も乗らないほど、媒体としての映画の地位は落ちていた…ということなのでしょうか?それとも、「なんとか中堅規模に」と考えていた織戸組からのアプローチだったのでしょうか?気になるところです。

先輩審判員の小島(青木義朗)が危篤になり、絶縁状態にある娘の雅子(有川由紀)に会わせるために連れ戻すシーン。
大学生を真似て(?)高校でも学生運動が起こってロックアウトしている…という図は時代を感じさせて面白い。

「学校(高校)は今ゲバ棒騒ぎで…」

教諭達のこんな言葉も興味深い。ゲバ棒なんて言葉も今からすると「何のことやら」という感じ。
高校でも学生運動が盛んになる過程は「ハイスクール1968(四方田犬彦著)」に詳しいが、当時はその頃から既に2年が経過していて、この2年後には浅間山荘事件が起こることを考えると、今作品公開時は学生運動は下火になりつつあったのではないか。そう考えると、これを観ていた人達の中にも「今更」感があったのではかろうか。
そのため、田上が妻尚子と心配したような「うちの子らも大きくなったらゲバ棒振り回すのかな。」なんてことは杞憂に終わりましたね。

「ナンセンスだね。」
「断絶だね。」

その高校生達が発するこんな言葉も、妙に時代を感じさせてくれて…ホント興味深い。

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昭和30~40年代って面白い...ので、当時の映画・テレビ番組から気付いたことを気の向くまま書いています

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