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街から街へつむじ風(1961年)

昭和36(1961)年に公開された、日活制作による作品。
出演は石原裕次郎・芦川いづみ・中原早苗・大坂志郎他、監督は松尾昭典。

ドイツ帰りの医師晋一(石原)は、父親(宇野重吉)が住職をしている寺の境内に診療所を開くことを希望していたが、父親は友人の田村(東野英治郎)が院長をする田村医院を勧める。田村は持病が悪化、息子で副院長の庄二(小高雄二)は手術失敗の経験から自信喪失...しかも、キャバレー歌手のかおる(南寿美子)に惚れて...と寂れる一方。そんな中、ホテル建設を目論む不動産屋が病院の買収を企み、連日嫌がらせをしたり、庄二から病院の権利書を奪おうとする。しかし、不動産屋社長の娘冴子(中原)が偶然晋一と知り合い惚れ、冴子が父親を説得、病院買収を断念...するも、解雇された秘書の呉(西村晃)が買収に乗り出す。呉はかおると庄二を監禁して権利書を奪おうとする...が、晋一を中心とした数人が乗り込んで...と、色々なことが...丸く納まる、という内容。

石原裕次郎・芦川いずみ共演によるアクション作品。作品中で「銀座の恋の物語」を歌うシーンがあり、既に当時のヒット曲...かと思いきや、同タイトルの映画作品は翌昭和37(1962)年の公開。ということは、本作品をきっかけに火がついたのか?
ストーリーは予定調和の如く進んでいくため、背後に映し出される当時の風景・風俗を存分に観察できて...興味深い。
冒頭、ドイツから帰国した晋一が実家(寺)に向かうシーン。

首都高速や日劇といった有楽町辺りが映し出されます。
やはり、昭和30年代の都会といえば「有楽町・銀座」ということなんでしょう。これが昭和45(1970)前後になると、「新宿」が舞台となる作品が急激に多くなりますが、まだまだ本作品の頃は「有楽町・銀座」という時代。

そして、実家である寺がある所...ここがエライ山奥、といいますか、ド田舎。
なにせ、おもむろに車を停めた晋一が銃で「ズドン!」と鳥を打ち落としたりするんですから...

晋一は父親(宇野重吉)から田村医院を勧められ、実家の寺から「通え」と言われます。
そして、次の場面では中央線・丸の内線・都電などが映し出されます。

「え!? 中央線で通えるところなの?」

と大きな驚きを禁じ得ません。
とても、中央線で通える...高尾とか辺りなんでしょうか...場所には見えません。
興味深いことこのうえない、という感じ。


田村医院の屋上から見える景色は、高い建物が少なく「空が広い!」。
遠くに山手線を確認できたり、他のシーンでは「大久保警察」という建物が登場することを考えると、大久保近辺でしょうか...
現在だったら、新宿の高層ビルを始め、周囲はビルだらけ...本作品で見ることができるよな「広い空」を拝むことは到底無理な注文ということでしょう。

しかし...

ラストシーンを観ていると、どうも大久保辺りではないような気もしてきます。
まぁ、田村医院の建物と屋上を別の場所で撮影する...なんて良くあることですしね。

田村医院前の道路は拡幅工事をしている最中と思われ、周囲の風景とは不釣合いなほど幅が広い道路。
奥にはガードが見え、駅ビルも見えます。駅ビルの屋上にはドームのようなものも見えるような...
また、道路が奥(ガード)から登り坂になっていて、東急バスがやたら走っていることを考えると...もしかして渋谷辺りではなかろうか、と。
現在の首都高速「渋谷出口」辺り、渋谷から六本木方面に向かって「六本木通り」を少し登った辺り...でしょうか。
気になるところです。


庄二(小高雄二)とかおる(南寿美子)が監禁されるシーンで、拳銃に一発だけ弾丸をつめて...という所謂「ロシアンルーレット」を強要される場面。強要するチンピラがこんな言葉を放ちます。

「今、アメリカのビート族の間で流行ってるゲームを...」

そうか、ロシアンルーレットはこの頃から日本で知られるようになったのか...と感慨深くなる一方で、これを観た当時の若者達が「カッコいい!」と感化され、盛り場のいたるところで「ロシアンルーレット」が行なわれている図を想像してしまいます。
それにしても、ビート族という言葉も凄い。今では到底通じない言葉ですね。


興味深いシーンが多くて...面白い。

theme : 映画を見て、思ったこと
genre : 映画

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当時アメリカではビート・ジェネレイション=ビートニクスといっていたのが
日本ではビート族という言葉になったんでしょうかね?
~族という日本独特の表現はやはり新聞・週刊誌からでてきたものなんでしょうか?

Re: タイトルなし

> 当時アメリカではビート・ジェネレイション=ビートニクスといっていたのが
> 日本ではビート族という言葉になったんでしょうかね?
> ~族という日本独特の表現はやはり新聞・週刊誌からでてきたものなんでしょうか?

なるほど、そこから来ているんですね。
それにしても、考えてみると...みゆき族、団地族、かみなり族などなど。族ばかりですね。
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昭和30~40年代って面白い...ので、当時の映画・テレビ番組から気付いたことを気の向くまま書いています

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