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丘は花ざかり(1963年)

昭和38(1963)年に公開された、日活制作による作品。
出演は浅丘ルリ子・ニ谷英明・川地民夫・村瀬幸子他、監督は堀池清。

大学を卒業して出版社に入社した美和子(浅丘)。若干先輩の野崎(川地)は、日に日に彼女に思いを寄せ始める...も、美和子は編集長の野呂(二谷)に惹かれ始める。2人の上司である野呂は妻と死別していて、今は2人の子供と母親(村瀬)と暮らしている。野呂の子供達や母親に気に入られるようになった美和子は、野呂が出張で留守にしている間に野呂宅に泊まって世話をしたりする...が、帰京した野呂から郷里の未亡人と再婚すると聞かされる。美和子は野呂一家が帰郷する見送りにみんなで行くつもりだったが、甥の交通事故で行けず...しかし、ぎくしゃくしていた姉夫婦がこの事故が元で上手くいったり、数日後には野崎が美和子にプロポーズして...と丸く納まる、という内容。

日活お得意の石坂文学を映画化した作品。
本作品を観ながら「どこかで観たような...」という思いが消えず、しばらく思い出そうとして...思い出しました、これ、「雨の中に消えて」だ!と。「雨の中に消えて」は昭和41(1966)年に日本テレビ系列で放映されたドラマですが、その中で広瀬みさが演じている、たか子と設定もエピソードもまったく同じでビックリ。しかも...
「雨の中に消えて」自体がリメイクで、本編は「丘は花ざかり」と同じ昭和38(1963)年に公開されているんですね。
ということは、日本テレビが「雨の中に消えて」をTVドラマとしてリメイクする際、「丘は花ざかり」も入れ込んでしまおう...と思ったんでしょうね、きっと。

まぁ、実は本作品も、昭和27(1952)年に公開された同タイトルのリメイクだったりします。


それはさておき...「旧塗色の東急東横線」や「田園調布駅の改札・駅前」という、日活作品ではよく見られるシーンからスタートする本作品、興味深い風景・風俗が垣間見られて興味深い。

美和子(浅丘)と叔父、そして野崎(川地)がレストランで食事するシーン。そこは、銀座の外堀通り沿いを走る首都高速の高架下にある、現在の「銀座インズ」2階にあるレストラン。窓越しから数寄屋橋交差点が見えます。都電の姿や、今では「こんなとこ」まで顔を出さない東急バスが走っているのが見えて興味深い。

編集長の野呂(二谷)が住んでいるのが中目黒。
高台にある(野呂が連載を依頼した)作家宅から、坂道を下ってきて川を渡るシーン。
今でこそ高層マンションを始めとして多くの建物が林立する中目黒ですが、ここで見ることができる「空の広さ」は新鮮。
また、目黒川の両岸には柵がありません。現在だったら「子供が落ちたらどーすんの!」と区役所には苦情殺到でしょう。この「柵のない都市河川」というのは、個人的に「昭和30年代的らしい風景」の一つだと考えています。


また、東京タワー~プールサイドを映し出すシーンもあります。
これは当時の映画ではよく登場する、芝のプリンスホテル。勿論、ゴルフ練習場も見えます。まぁ、当時は都会にある「おしゃれなホテルのプール」と言ったらココくらいしか無かったんでしょうね。
ただ、このシーンではこんな台詞を耳にできます。

「君達もやっぱりエスケープ?」

「さぼって抜け出してきたの?」という意味なんでしょうが、今では使いませんね。これは「飛び出せ!青春」では堂々と使われてますから、1970年代までは普通に使われてたんでしょうが...いつ頃まで生きていたんでしょうか。気になります。
また、美和子が電話で野呂に言う「簡潔にリアリズムにね。」という言い回しも違和感があって面白い。リアリズムに...って今では普通の会話では出くわしませんね。当時はよく使われてたんでしょうか。


ところで、美和子は友達から「ミッチー」と呼ばれています。
当時の皇太子が美智子妃とご成婚されたのが昭和34(1959)年。その前年から空前の「ミッチーブーム」が巻き起こったことを考えると、それから4年後のこととは言え、これは「ミッチーブーム」にあやかったのか...と推測してしまうのは私だけでしょうか。

theme : 映画を見て、思ったこと
genre : 映画

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昭和30~40年代って面白い...ので、当時の映画・テレビ番組から気付いたことを気の向くまま書いています

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