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赤い殺意(1964年)~冬は冷蔵庫を...~

昭和39(1964)年に公開された、日活制作による作品。
出演は西村晃・春川ますみ・露口茂・赤木蘭子他、監督は今村昌平。

主婦貞子(春川)は、夫吏一(西村)の出張中に強盗に入られて犯されてしまう。それを苦にして死のうとするが、子供のことが気にかかって断念し、そのことを吏一に言おうとするもタイミングを逃す。そんな時、あの強盗平岡(露口)に押し入られて抱かれてしまう。ある日、デパートに行った貞子は偶然にも平岡に声を掛けられ、咄嗟に逃げる...も、その様子を吏一の同僚で愛人の義子(楠侑子)に見られたり、吏一に隣家の大学生と不倫しているのではと疑われたり...と色々なことが起こる。意を決した貞子は平岡に会いに行って関係を清算しようとする...が、心臓の病気だった平岡は発作によって死んでしまう。しかも、2人の関係をカメラに収めようとしていた義子も不注意から車に跳ねられて死んでしまい...またいつも通りの生活が始まる、という内容。

今村昌平監督の代表作の一つであり、恩地日出夫監督に「古今東西あらゆる映画の中でベストワン」と言わしめた作品。因習に縛られた弱い立場から、次第に自立してたくましくなっていく貞子(春川)の様子が秀逸。
後に、昭和41(1966)年・昭和50(1975)年・平成3(1991)年と3回もTVドラマ化されてたんですね...観たことありませんが。
さて...本作品でもいくつか興味深い場面を見ることができます。
舞台となっているのは仙台...ということで、当時の仙台市内がしばしば映し出されます。

現在は駅前にペデストリアンデッキが設置され、東北随一の都市を代表する近代的な駅舎である仙台駅ですが、ここで見られるのは地平駅の木造駅舎。駅前には無数のタクシーが停車しているロータリーもあって結構規模も大きな駅ですが、やはり木造駅舎ということで「いかにも地方駅」という雰囲気で隔世の感があります。

貞子(春川)と吏一(西村)夫婦が住んでいるのが「高屋敷」という所で、調べてみると...仙台駅から東へ4~5Kmほど離れた地域のようです。で、仙台駅までは市電で往復しているシーンが度々登場します。当時の作品では都電が登場するシーンはよく見かけますが、なかなか仙台市電が走る姿は見られませんね。この作品では車内の様子まで映し出されていて、結構興味深い。

その他にも、仙台駅近くの橋でしょうか。向こう側に見える鉄橋をキハ80系「はつかり」が走行しているのが見えたり、松島駅でのシーンでは普通列車に当然のようにSLが使われているのを確認できたりします。


さて、昭和30年代の高度成長期を象徴する言葉として「3種の神器」というのがあります。
言わずと知れた「テレビ・電気洗濯機・電気冷蔵庫」のこと。この作品が公開されたのは昭和39(1964)年ですが、それらが東京から仙台のような地方都市へも普及し始めた様子が見られます。

吏一が電気掃除機を買って帰宅するシーンでは、貞子に「こう使うんだ!」なんて言って、電気掃除機の使い方を教えていたりします。
また、冷蔵庫を購入してから「電気代がかかるようになった」とこぼす貞子に対して、吏一は「冬は使わないんだから、冷蔵庫切っとけばいい」なんてことを言ったりしてます。

こんな場面を観ると、どこか新鮮で興味深い。
それにしても、冬場は冷蔵庫の電源を切る...なんて、結構大胆で面白い。

冬場の寒さが厳しい地方では、このようなことは結構普通だったんでしょうか、気になるところです。





theme : 映画を見て、思ったこと
genre : 映画

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昭和30~40年代って面白い...ので、当時の映画・テレビ番組から気付いたことを気の向くまま書いています

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